▼ 駒澤家 ▼
【駒澤家】の祖とされる【駒澤家初代/宗源(生没年不詳)】が延宝年間(1673年-1681年)に指物を業とし自立。
茶の湯に関わる指物として
・長板
・茶箱
・木地台子
・棚物
・炭台
・文庫硯蓋
・行灯
・炉縁
・木地水指
・卓
・莨盆
・菓子器
など多種多様な【指物茶道具】を制作。
また安永九年(1780年)に発刊された『茶器価録(上巻)』には前述の他にも桑や竹の
・台子
・袋棚
・丸卓
・屏風
・曲水指
・利休形四方棚
など九十七点が記載されている。
また『表千家九代/了々斎曠叔宗左(1775-1825)』の時代に書かれた記録に【指物師利斎】の道具百六十六点が値段と共に記載されておりその種類の豊富さに驚かされる。
▼ 住居 ▼
【駒澤家初代/宗源(生没年不詳)】【駒澤家二代/宗慶(1628-1693)】【駒澤家三代/長慶(生年不詳-1686)】は[京都/千本頭十二坊]にて【指物】の仕事をしており【駒澤家四代/駒澤利斎(1673-1746)】から現在の地である『表千家(不審庵)』近くの[小川通寺ノ内下ル射場町]に居を構えている。
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▼ 寸法録 ▼
【駒澤家】が制作する【指物茶道具】についてはそのすべてが【利休形】が基本となり【千家】と密接な関係を持ちながら歴代の御家元の【御好物】が制作されていることがわかる。
これらすべての道具は【駒澤家五代/駒澤利斎(1707-1764)】が記した二冊の【寸法録】から読み取ることが出来る。
この【寸法録】には木地の「絵図」「寸法」「材質」「デザイン」が記してあり「利休好 真台子」にはじまり下記のさまざまな道具がみられる。
・台子 ・刀掛 ・茶杓 ・香合 ・硯箱
・棚物 ・茶箱 ・莨盆 ・透木 ・炉縁
・長板 ・短檠 ・竹檠 ・薄板 ・八寸
・湯桶 ・文庫 ・塵取 ・小刀 ・菜箸
・塵箸 ・屏風 ・桑見台 ・桑撞木 ・花切留
・釜敷板 ・自在竹 ・板風炉 ・木燈籠 ・花鳥札
・桑炭斗 ・煙草入 ・旅箪笥 ・茶通箱 ・手水桶
・露地下駄 ・釣瓶水指 ・露地道具 ・水屋道具 ・風炉先屏風
順不同
また【寸法録】には「利休好」「利休形」「宗旦好」「仙叟好」「原叟好」「宗安好」「宗乾好」「宗全好」をはじめ三千家や久田家歴代の御好物が多く記されている。
【寸法録】以外にもそれぞれの寸法を木に印した【物指ほんぎ】は現在においても【駒澤家】に大切に保存・使用されており【駒澤家】代々違わぬ作品を伝承することができている。
【御好道具】には「模様」や「色彩」「寸法」などが特徴とされているが木地の道具においては【寸法】が最も重要な要素となる。
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▼ 歴代 ▼
【駒澤家】の祖とされる【駒澤家初代/宗源(生没享年不詳)】は通称【理右衛門】と称したが事績などの詳細は不明。
続く【駒澤家二代/宗慶(1628-1693)】【駒澤家三代/長慶(生年不詳-1686)】の時代に『千家三代/咄々斎元伯宗旦(1578-1658)』の指図を受け千家の茶道具を制作するようになったと伝えられる。(※詳細は不明)
従来、【駒澤家】の歴史については最初に【利斎】を名乗った時を『初代』とし、以降は【利斎】何代と数え、【利斎】以前は家祖である【駒澤家初代/宗源(生没享年不詳)】【駒澤家二代/宗慶(1628-1693)】【駒澤家三代/長慶(生年不詳-1686)】の三代を置いて考えられてきた。
一方で数寄者『[茶人]草間直方(1753-1831)』の【茶器名物図】によると『指物師利斎家系之事』の一条に
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