この度は『茶道本舗和伝.com』をご覧頂き誠にありがとうございます。
本ページ『はじめての茶道―茶道入門―』におきましては「はじめて『茶道』に触れる方」や「はじめて『茶道』を修練する方」などを対象に『茶道』の茶道の歴史をはじめ茶道の基本的な知識や要点を管理者なりにまとめました文章をご紹介していきたいと思います。
『茶道』からイメージするものには一般的に「抹茶」「御菓子」「茶道具」「茶室」「作法(点前)」などの言葉が思い浮かぶのではないでしょうか?
一般的には『茶道』とひとまとめに紹介されていますがその一つ一つにはさまざまな歴史や意味があります。
『はじめての茶道―茶道入門―』ではその一つ一つがどのように誕生し時代を経て『茶道』と確立していったのか?そしてどのような人たちに出会い今日の私たちに伝わってきたのか?・・・
本ページでは『茶道』というものいったいどのようなものなのか解説していきたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。
▲目次へ戻る
『茶道』とはわが国において長い年月をかけ様々な時代を経て構築された日本を代表する伝統文化であり、点前をはじめとする作法、茶道具をはじめとする美術工芸品、茶室をはじめとする数寄屋建築、茶事でおこなう懐石料理などそのすべてが世界に唯一無二の日本独自の総合文化であり世界に誇れる総合芸術といえます。
『茶道』とはもてなしの心を大切にし、ただ茶を点て喫するだけでなく、茶室や露地の様子、茶道具、そして出されるお菓子などにも気を配りそこにあるすべてで客人をもてなし、客人はそのすべてで季節感や趣を楽しみます。
また、『茶道』は禅の考え方に基づいており、『わびさび』の精神を大切にしています。
そのため、茶を点てることに集中することで心を落ち着かせ、自分自身を見つめ直すことができるのです。
『茶道』に由来する「一期一会」という言葉も存在し、茶会を催す際には、どの茶会でもこの機会は一生に一度のものと心得て、亭主、客人ともに誠意を尽くす心構えを意味しています。
この国で生まれた私たちすべての日本人のDNAには私たちの先祖が築き上げた『茶道』での精神が組込まれていることがわかる。
▲目次へ戻る
今日の『茶道』を知らない人たちも日本人であれば『わび・さび』という言葉は、一度は耳にしたことがあると思います。
本来は『わび』と『さび』は別の概念であったが近代の『茶道』において『わび・さび』は一つの語として用いられるようになったとされる。
また同時に『茶道』における代表的な言葉としても用いられるようになる。
しかし一般の方や茶人の中にも『わび・さび』の言葉をはっきりと説明できる方は少ないのではないでしょうか?
『茶道』と同様に奥の深い一語ではありますが、ここでは『わび・さび』の言葉の歴史や解釈をご紹介させて頂きます。
▲目次へ戻る
茶の湯の大成者である『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』が茶道における心得を説いた標語に四つの漢字から成る『利休四規』と七つの言葉から成る『利休四規七則』があります。
これから『茶道』を修練する方にとっては「茶道の心得」となる標語ですので、はじめにそれぞれの語を学ぶことからはじめましょう。
~利休四規~
利休四規とは『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』が茶道の心得を示した下記の四つの漢字からなる教えである。
~利休七則~
利休七則とは『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』が茶人の心得を示した下記の七つの言葉からなる教えである。
利休七則 |
一、茶は服のよきように
|
二、炭は湯の沸くように
|
三、夏は涼しく冬は暖かに
|
四、花は野にあるように
|
五、刻限は早めに
|
六、降らずとも雨の用意
|
七、相客に心せよ
|
▲目次へ戻る
茶の湯では招いた客人に差し上げる抹茶をつくる(点てる)一連の所作、動作(作法)を『点前』と呼びます。
古くは『手前』の字を用いていましたが今日では炭を置くための所作、動作(作法)の場合のみ『手前』の文字を用います。
また流派により違いはありますが「茶の湯」では大きく分類すると「炉の季節(11月~4月)」の『濃茶点前』と「風炉の季節(5月~10月)」の『薄茶点前』が基本となります。
点前の歴史を見ると中国宋代の茶書『茶録』の中にある「点茶」という語が初見と考えられます。
また実際に点前が行われた記録については永享九年(1437)十月二十一日に『第百二代天皇/後花園天皇(1419-1471)』が『室町幕府第六代将軍/足利義教(1394-1441)』の室町殿へ行幸された際に『[武将]赤松貞村(1393-1447)』が天皇拝領の唐物道具を使い、平安装束(水干・折烏帽子)にて披露した『台子点前』であったとされています。
その後、『台子点前』は『[茶祖]村田珠光(1423-1502)』の『草庵茶』の成立とともに『炉の点前』が考案され、それを『わび茶』を提唱する『[茶人]武野紹鷗(1502-1555)』に引き継がれ、その後『千家開祖/抛筌斎千宗易(利休)(1522-1591)』の登場により『運びの点前』が成立、『茶の湯』は道となり『茶道』が誕生し『点前』の基本がすべて整う事となります。
そして時代を重ねると共に流派は増え、各家の家元制度も確立、点前も時代に合わせ多様化し今日に至ることとなります。
▲目次へ戻る
『茶道』に限らず、日本では古くから培ってきた独自の文化と精神にて相手への感謝や地域や社会への秩序を保つためなど、さまざまな機会や場所にて規範となる『作法』があります。
一言に『作法』といっても対人間はもちろんのこと自己と対する「神仏」、「自然」、「動植物」など自己に関わるすべての物に対する『作法』があります。
『茶道』における作法については「礼ではじまり、礼でおわる」とあるように熟練の先生方も『茶道』を初めて習う方でもすべては『礼』からはじまります。
また流儀により差異はありますが『茶道』には「お辞儀(礼)」「姿勢」「座り方(正座)」「歩き方」は当然のことながら
・点前時(亭主)
・入室時(客人)
・喫茶時(客人)
・食事時(客人)
・退室時(客人)など
『茶道』ではここではすべてを書ききれないほどの多くの場面にて『作法』が必要とされます。
しかしこれだけを記すと非常に難しく大変な事を想像してしまいますが『茶道』においては、対する相手は当然のことながら自然、食材、空間などそのすべてを敬う心があればすべてが合理的で理にかなう所作であることも事実であり、またそのあたりまえの事実を再度教えてくれるのも『茶道』であると考えられます。
日本人として培われた当然の『作法』から「一期一会」の茶の空間秩序を保つための亭主・客人が相手を思いやる『作法』まで『茶道』においてはそのすべてを習得するには生涯をかけても修練は続くとされています。
あたり前のことや当然のことをおこなうことがいかに一番難しいことであるのかと考えさせられるのも『茶道』のもつ魅力の一つでもあると考えられます。
▲目次へ戻る
▲目次へ戻る
▲目次へ戻る
▲目次へ戻る
▲目次へ戻る